放課後等デイ FORTUNA   認知行動療法について ⑤

こんにちは。都筑区の放課後等デイサービスFORTUNAです。

 

今回は認知行動療法(CBT)についての5回目です。話がややこしくなってきましたので、もう一度まとめて見ましょう。

カウンセリングモデル(来談者中心療法)と認知行動療法のどちらが優れているということは言えません。

 

今回は、もう一度おさらいとして、現在、日本でよく実施されているカウンセリングモデルとFORTUNAが実施している認知行動療法(CBT)についての違いについて、簡単に説明することにします。

 

現在の日本では、アメリカの心理学者カール・ロジャースが提唱したカウンセリングモデル(来談者中心療法)が広く実施されています。ロジャースは傾聴することの大切さを説き、「共感的理解」「無条件の肯定的関心」「自己一致」を三原則とし、「非指示的カウンセリング」を挙げました。

「非指示的カウンセリング」とは、クライエント(依頼者)中心のカウンセリング手法で、カウンセラーは具体的な指示をすることなく、クライエントの内面に対して、自己を表現し、問題解決に向けた行動につながるようなサポートをし、クライエント自身の回復力や自己成長力につなげていくことを目的としています。そのために必要なのが、相手の立場に立って対話することです。

以下では、ロジャーズが提唱した、相手の立場に立って対話するための基本的な三原則について、説明をします。

「無条件の肯定的関心の法則」における無条件肯定とは、相手の価値観や人格を否定しないことです。相手が持つ意見や感情に対して、自分の判断や評価を加えるのではなく、受け入れ、尊重することが大切です。

無条件肯定をするためには、相手に対して、自分自身の偏見や先入観を持たず、常にオープンな姿勢で接することが必要です。また、相手が話す内容に対して、否定的な反応を示すのではなく、積極的に受け止めることが大切です。

「共感の原則」における共感的理解とは、

相手の気持ちや感情を理解し、受け止めることです。相手が話す内容に対して、自分自身の経験や感情を重ね合わせるのではなく、相手の立場に立って、彼らがどう感じているかを理解することが大切です。

共感するためには、相手の言葉や表情、態度を注意深く観察することが必要です。また、相手が話す内容に対して、「あなたはこう感じているのではないでしょうか?」などと推測するのではなく、相手が本当に感じていることを理解し、それに寄り添うことが大切です。

共感は、相手の気持ちに寄り添い、その人が感じていることを受け入れることです。相手の立場に立って、話を聴くことで、自分自身を表現しやすくなり、自分自身の気持ちにも気づきやすくなります。相手を受け入れ、理解することが大切です。相手の言葉や行動を否定せず、受け入れ、尊重することが求められます。カウンセラーが、クライエントの意見や感情に否定的な反応を示すと、クライエントは自分自身を否定されたように感じ、自己開示や問題解決への積極性を失います。

「自己一致」「真正性の法則」とは、カウンセラー自身が素直に表現し、クライアントに真剣に向き合うことが必要です。自分自身の感情や意見を自然体で表現することで、相手が信頼を持ち、自己開示につながることが期待されます。自分自身の心の中を誠実に表現することで、相手も自分自身の内面に向き合いやすくなるのです。

以上が、ロジャーズが提唱した相手の立場に立って対話するための基本的な原則です。

 

このカウンセリングモデルという手法では、クライアントとカウンセラーとの関係性については、クライアントの困り事を受け入れ(受容する、ありのままを受け入れる)安心して問題に向き合えるような二者関係を構築しなければなりません。

 

認知行動療法とカウンセリングモデルにおけるクライアントへの介入技法では、クライアントとの関係性が全く違うので、クライアントの問題を抱え込みながら、認知行動療法をやろうとしても上手く出来ないのは当然です。

 

<ポイント>

・カウンセリングモデルにおいては、カウンセラーがクライアントの問題に向き合い、受け止め、抱え込む関係

クライアント「つらいです」、カウンセラー「受け止めます」

・認知行動療法は、カウンセラーがクライアントに生じている問題を外在化(対象化)して、クライアントと一緒に並んで観察し、その問題関係に取り組む関係=協働関係

クライアント「どうしましょうか」カウンセラー「さて、どうしていきましょうか?」